株式会社ミズホは、作物を健全に育て、美味しくて安全な農産物を作るための肥料と資材を取り扱っている会社です。
他社にはない「効くリン酸」を用いた「Mリン農法」による栽培を推進しています。
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新入社員の夏野菜栽培 其の10(最終)
もう秋ですね個人的な感覚ですが、朝晩は特に秋の匂いがします。これからおいしい作物が続々と採れる時期なので、存分に食を楽しみたいところです
さて、もう秋ということで、そろそろ夏野菜栽培も潮時です。青枯れ病にやられてしまったトマト・ピーマン・パプリカ。生育が不調となり、更新剪定をしたナスがありました。ナスは更新剪定後、すくすく育ちまた実を生らせ始めましたが、一部にダニの被害が出てしまいました
名古屋でナスは、テントウムシダマシの次にダニと記憶しておきます
今回で最後の記事で、最初から最後まで生き残ったオクラに焦点をあてて振り返ってみたいと思います
栽培のまとめの前に、まず前回の栽培日記以降のオクラネタから。
こちらはオクラの種を取るために残しておいた実です。緑だった実の皮が茶色に変わり、スジとスジの間がめくれてきています。これくらいに実を収穫しないと、実が割れて種がポロポロとこぼれてしまいます。種取り用の実はお盆前(8月10日)から残しておいたものです。ちょうど一ヶ月経過した9月10日に収穫しました。
こちらが種取りオクラの実の拡大図です。丸くて黒い種が仲良く並んでいます。ちなみに今回の種取りオクラで採れた種の平均数は一つの実で84個でした。標本数は4つと少ないですが
そしてちょうどその頃、オクラにイボ果が発生しました
オクラのイボ果は栄養不足、特にチッ素不足で発生します。また日照不足時も発生しやすいとのことですから、チッ素を効かせつつ[MリンPK]でリン酸を効かせチッ素の消化促進、光合成の促進を図ってやるべきですね
さて、以上でオクラ栽培も終了です。今回の栽培でのオクラの情報をまとめ、振り返ってみましょう。
まず、定植から初収穫までちょうど2ヶ月かかりました。定植して間もなく寒さで生育が滞っていることに気付き、寒さ対策をしましたが、もっと早く対策していれば収穫までの期間は短縮できたと思います。そして、収穫後もハマキムシによる葉の被害で、一時的に木が弱り、収穫や生育に大きく遅れが生じました。ハマキムシ予防の大切さを実感しました。
そして最終的な木の大きさです。4ヶ月と1週間の期間で平均高さが約162cm、茎の直径が約3.4cm、太さが約11cmに生長しました。収量はそれぞれ73個、69個です。この収量は先輩曰くまだまだ少ないとのことです。途中、管理に緩みが出たせいでしょう
そしてオクラ最大の反省点がこちら。
オクラの木の上部50cmの写真ですが、葉もなく、実を取った跡だけが見えます。この50cm間、ずっと実が生り続けましたつまり、生長点で花が咲くカンザシ状態が長らく続いていたことを意味します。そのカンザシは芯止まり・チッ素不足で発生します。またこのその影響かどうか分かりませんが、オクラの木の下の方から側枝が育ち始め、そちらでも実が生っている状態でした。カンザシの対処、芯止まりの対処が出来ていればもう少し収量を上げられたのではないかな……
さて、栽培を楽しみつつ課題もたくさん見つけられた2014夏野菜栽培も幕引きです。
これから、少し遅いですが、冬作に向けて畑の調整をしていこうと思います
新入社員の夏野菜栽培 其の9
名古屋では8月25日あたりから雨天曇天が多く、急に涼しく秋らしい日々となっています農業関係者にとって、秋と言えば収穫の秋、しかし今年は月見も大きなイベントとなるようです9月8日は中秋の名月、9月9日は今年三回目のスーパームーン当日晴れていたら夜は空を眺めて、優雅に過ごしてみたいと思います
さて、前回食用ホオズキの収穫まで追った栽培日記ですが、今回はナスの更新剪定後について書いていきます。
更新剪定後、ナスが新葉を芽吹かせていたのはよかったのですが・・・パプリカにも青枯れが発生しました毎年のこととは言え悲しい限りです・・・菌がいるのが分かっていても対応できないふがいなさを感じました・・・。
こちらはパプリカの茎で青枯れ菌を確認した写真です。
青枯れ菌は、感染した作物茎の根に近い部分を切り取って水につけると確認できます。写真に白いもやのようなものが見えるでしょうか。それが青枯れ菌です以前、トマトが青枯れ病でダメになったときにも同じ確認作業をしたのですが、写真撮影には失敗しました。今回は記録に残し、来年も同じことの繰り返しにならぬよう、しっかりと対応を考えていきたいと思います
日照不足や雨の多い時は虫や病気が増えるもので・・・オクラに水を遣っていたら、なんだか葉の形がヘンテコなことに気付きました
あれーオクラの葉ってこんなにスリムだったかしらんいえ、そんな訳はありません。これはハマキムシ(ワタノメイガ)の仕業です。葉が筒状に巻かれるのが特徴的で、被害が出たらすぐに分かります。
別アングルからもう一枚。巻かれた葉の中に糸状のものが張り巡らされ、そこに幼虫のフンとおぼしき黒い粒粒があるのが見えます
発生が多いときはほとんどの葉がこの状態になり、葉が食べ尽くされてしまいます。露地栽培では比較的多くみられる虫害で、出来るだけ発生初期に防除を行うのがポイントです。ハマキムシによって葉の面積が減り、光合成能力が低下したことで、鉢植えのオクラの生育がピタッと止まってしまいました
今は物理的に除去し、新しい葉のため硫安と苦土入りMリンPKを施肥して様子見ですが、そろそろ夏野菜栽培の引き際を考えなければ、と思う今日この頃でした
前回の栽培日記はこちら
新入社員の夏野菜栽培 番外編2
新入社員の夏野菜栽培 番外編
前回、ナスの更新剪定を行ってうまく新しい芽が出てきたところまでご報告しました。
その後、ナスは順調に枝を伸ばして、
現在こんな状態です
両側にしっかりと枝を伸ばし、花芽もたくさんついています。
さらに左下には小さな実もできています
今のところ大きな害虫の被害も見られないので、
今後も健康に育つように管理をがんばりたいと思います
一方、もう1本のナスは・・・・
写真だと後ろのオクラと被ってしまい、
わかりにくくて申し訳ないのですが、
半分が枯れてしまっています
半身萎ちょう病ではないかと思われます・・・
更新剪定の為、枝を落として弱くなっていたので感染してしまったのでしょうか
とても残念ですが、残り1本はバイオ根助などを使用し、
根を強くして、病気にかからないように気をつけていきたいと思います
新入社員の夏野菜栽培 其の8(7/14以降)
今年も暑いですね年々暑くなっているように感じますが、地球温暖化が叫ばれて久しいです。ここ名古屋でも35度を超える日も珍しくなくなりました。小さい頃はこんなに暑くなることは珍しかったので、温暖化を実感しています。地下からエネルギーの塊を取り出して燃やしていては、暑くなるのも当然でしょうが
さて、今回は7/14以降の栽培日記をお届けします
前回、初めてオクラを収穫したところまで書きましたが、オクラの成長速度は目を見張るものがありますね。
7/18の夕方は指サイズ(6cm程度)だったのですが、5日経った7/23には25cmほどのビッグサイズ
ものの5日で20cm、一日平均4cmですよ(曲がってしまったのは水不足です)
大きくなったオクラは食べられないと聞いていましたが、一応茹でて食べてみました。しっかり茹でたので硬さは気になりませんが、丈夫なスジが口に残り、お世辞にもおいしいとは言えない状態でした成長しすぎても、未熟すぎてもダメ。農家さんの苦労をまた一つ学ぶことができました
(7/24)そして、青枯れや尻腐れに続き、またもやトマトを標的に何かやってきたようです……
穴の中からコンニチハ
オオタバコガの幼虫です見つけた時にはもうトマトの中に住み着いていました。実を食べているので中齢幼虫というのでしょうか。もちろん彼が食べたトマトは、人の口には入らず、そのまま虫のエサにしておきましたこのような作物のロスは農家さんにとっては、大変な痛手でしょう。
オオタバコガの防除は、進入経路を断つことが大切です。防虫ネットなど外部からの侵入経路を断つようにしましょう。もし作物に付いてしまったら、物理的に除去するのが手っ取り早いです。どのような病虫害も、先手先手の対策=予防が大切ですね
7/31、今度は鉢植えオクラに生理障害が出ました
この写真を見て、どんな障害かお分かりになりますか?恥ずかしながら水やりをしているのにもかかわらず、先輩に言われるまで気づきませんでした起こっている障害は苦土欠だそうです。下葉(古い葉)に緑の濃淡が斑点状に見られます。トマトやキュウリなどの果菜類では、果実の肥大に伴って果実のすぐ近くの葉に症状が出る場合も多いようです。このオクラはまだ実ができる前ですので、下葉に表れているのでしょう。
左が下葉の拡大写真、右が上葉の拡大写真です。上葉も少し色むらが出ており、マグネシウムをくれー!と訴えていますねこの後[苦土入りスーパーMリンPK]を散布しましたところ、下葉の斑点が進むことはなく、新しい葉に同様の症状が出ることはありませんでした。
7/31、今年の栽培で初となる障害が黄パプリカに出ました。喜ばしいことではありませんが
日焼けです日焼けとなる原因は強い日差しと水分不足です。この時期までジョウロで水遣りをしていたのですが、これを見てからホースでたっぷりとかけることにしました
さて、今度はうれしいお知らせ、食用ホオズキが順調に育ちましたホオズキは周りの皮がカラカラになってから収穫なのですが、中がどうなっているのか見るために青いまま取ってみました。(7/28)
ガクの中は実が生り始めたトマトのようです。ただ、枝から栄養を貰う部分はトマトよりも太くしっかりとしているように感じます。種はトマトというよりナスと似た配置で、ナス科の植物をアピールしていますね
そしてきたる8/1、初めてのホオズキの収穫です
カラカラに枯れたガクを空けると黄色の実が付いています。ホオズキの実はガクに覆われていて、収穫タイミングが分からなかったので、柄の部分の枯れ具合で見当を付けていました。個人的な意見ですが、柄の根元まで茶色くなっている時が収穫期だと思っています。食べてみると、独特の風味と甘酸っぱい味が広がります。この風味は好みが分かれそうですが
ここまでで今年の夏野菜は一通り収穫できましたあとはどれだけ長く収穫するか、木の健康を維持するかが課題となります。更新選定をしたナスをはじめ、オクラとピーマン、パプリカがどこまで収穫できるのか実践していきたいと思います。
前回の栽培日記はこちら
新入社員の夏野菜栽培 番外編
奮闘中の新入社員の夏野菜栽培ですが、今回は番外編です。
8月上旬のこと・・・
秋ナスを収穫したい!!!
と思い立ち、会社の夏季休暇前にナスの更新剪定を行いました
初めての体験ですし、今まで元気に育っていた枝を切るのでドキドキ
「えぃ!!」と気合を入れて、バシバシ切りました。
切った後の様子がこちら。
ひとつの枝につき1~2枚の葉を残しています。
この後根切りを行い、バイオ根助とMリンPK液肥の素を施肥しました
元気に復活して欲しいと願いを込めて、
夏季休暇に入りました。
夏季休暇後、出社してナスの様子を確認してみたところ・・・
元気な新しい芽が出ていました
ナスの生命力の強さに感激です
おいしい秋ナスが収穫できるように今後ともがんばっていきたいと思います
新入社員の夏野菜栽培 其の7
しばらく更新が滞っておりました……もう夏真っ盛りですね名古屋はアスファルトの照り返しが暑くて暑くて……外出時の水分補給は欠かせません
さて、前回の栽培日記では枝豆の間引きまで書きました。今回はとっても速足に、6月上旬から7月中旬まで順に追っていこうと思います
まず、前回の日記の後、3週間は生育順調でした(6/20)。
初期生育の段階でリン酸が効き過ぎたこともあり、相変わらず背丈は低いですが
その後、ミニトマト、ナスの初収穫を無事に迎えることができました。甘さの指標ではないにしろ、作物は何でも糖度を測るのが弊社です。ということで、早速測定してみました(6/25)。
ミニトマトが8.5(一般平均6~7)、ナスが7.4(一般平均4~5)。数値的には一般より高いですね。ただ、ミニトマトは皮が丈夫で食べごたえがありました
その後、トマトが日に日に赤く実っていくのを楽しみに眺めつつ、収穫はまだかと観察していたら……果実の下の方が変な色に……(6/30)
これは尻腐れです。カルシウムが足りなくなると、このように果実の先端が変色してしまいます。後々となりの畝のピーマンでも尻腐れが発生しましたこれを目の当たりにし、さっそく葉面散布材[リーフアップCa]をたっぷりとかけましたとも
さて、7月に入りました。どんどん暑くなっていく毎日に、植物も夏バテのようにうなだれていました。これは水不足が原因です。その中でも鉢植えのトマトとホオズキが、とても弱っていました。これは水不足だけでなく、鉢が小さいせいで根域が狭くなってしまい、体に対して根が少ないことが原因。作物が息切れを起こしている状態です。急いで大きな鉢に植え替えました(7/3)
この後収穫ラッシュとなりまして、毎日何かを収穫していました。そして念願のトマトの初収穫となりました例によって糖度を測定です(7/7)
トマト(中玉)の糖度が8.0(一般平均5~6)。こちらもミニトマトと同じく皮が丈夫でした
トマトの収穫ができ、去年の先輩の無念を晴らしたと一息付いたのも束の間、最も恐れていた事態に……去年も一昨年も出ているという恐怖の青枯れ病の魔の手が、今年もトマトたちに襲い掛かりました(7/11)
いろいろ対策を講じてみましたが、どうにもならず接木苗以外は青枯れ病にやられてしまいました。一度しっかりと土壌をきれいにしなければならないですね来年までの課題です。
そして、オクラの初収穫を迎えました(7/14)
写真では分かりにくいですが、少し収穫が遅れ13cmほどにまで伸ばしてしまいました
オクラは収穫タイミングを逃すとすぐに大きく硬くなってしまいます。バナナのように大きくなったオクラを収穫する恥ずかしいお話は、また次回…
前回の栽培日記はこちら