株式会社ミズホは、作物を健全に育て、美味しくて安全な農産物を作るための肥料と資材を取り扱っている会社です。
他社にはない「効くリン酸」を用いた「Mリン農法」による栽培を推進しています。
このブログでは農業技術やMリン栽培の様子、Mリン農産物、会社のアレコレ…など、最新情報を更新しています。
ミズホ会員様にはおなじみである隔月発行の「機関誌・THEミズホ」では伝えきれない情報を時差なく提供していきます。
更新日は毎週 月・水・金曜日です。
(会社がお休みの場合はブログもお休みします)
生産者、農業関係者の方のみならず、農業に興味がある方、
家庭菜園を行っている方のご来訪も心よりお待ちしています!
イネの試験栽培―準備①
日増しに「春が来た」様相を強めていますねミズホの駐車場に植えてあるミカンも、少しずつ芽が動き始めています(ミカン圃場管理の目安にしています)しかし、例年より立ち上がりが遅いようで、名古屋の桜の開花予測も一週間ほど遅くなっています。遅いとはいえ気温も上がってきていますので、根も動いています。このような時、ミカンでは消化の良いリーフA液材(アミノ酸)を葉面散布して、開花に向けて体調を整えることを行っています
さて、タイトルの塩水選です。イネの栽培試験のために、苗作りを開始しましたその最初の作業が「塩水選」です。一般的には比重1.13の塩水で行いますが、今年はより厳しい選別を行うため、比重1.2の塩水を用意しました(どんぶり計算なので実際には1.2より高い比重になっています)
種もみは昨年の栽培試験で作ったものを使います。容器の関係から、だいたい10g前後の種もみを4回に分けて選別しました。
一度の選別で残る種もみは数粒です…
同じ作業を4回終えて、十数粒の重い種もみを選別できました。
ここから塩の洗い流し、消毒、乾燥を行い、吸水・催芽を行います。催芽の温度を低く調整して、予定しているゴールデンウィーク前の定植に合わせていきます
みかんのマルチ
本日の3月3日は上巳の節句、いわゆるひな祭りですねここ名古屋では春三番くらいの強い風が吹いていて肌寒いですが、日に日に暖かくなって春の装いも進んできました人間もそうですが、暖かくなると虫や菌たちも良く動き始めます。寒い間に堆肥化資材のバクヤーゼKを散布できなかった方、少しでも早く撒いて菌を土に馴染ませると、次作の生育にも有利ですよ
さて、みかんブログです虫・草とどう付き合うかはどんな作物であれ、頭を悩ませる所だと思います。前回はカイガラムシ対策の内容をお伝えしましたが、今回は「雑草対策」です。
今管理している所では、ミカン苗木を高畝で植えています。その畝を覆うように雑草対策の黒マルチを張りました。初のマルチ張りで、我ながら良く出来たと思っていたら、経験者の先輩に「初めてを考慮しても50点」と言われました。マルチは奥が深いですね
このマルチで斜面部分の雑草を抑制します。根を痛めることになるので、木周りは開けてあります。そこの雑草は人力で対処するしかありませんね。このマルチで夏場の草取りから少しは解放されるのを期待しています
みかん園地の新顔
段々と春が近づいてきましたミズホのある名古屋では、暖かい日は10℃を超え、寒い日は5℃に達しない日々が続いています。こうやって寒い日と暖かい日を繰り返しているうちに春はやってくるものですね
2月も中旬ということで、みかんのカイガラムシ対策のため、マシン油を散布してきました(お恥ずかしい話)散布の準備をするまで知らなかったのですが、多くのマシン油は「有機JAS」に対応しているようで、今回散布するものもその一つのようです。JAS法においては、「有機農産物」とは「化学的に合成された肥料及び農薬の使用」を避けたものであるため、「有機」か「無機」かという一般的な分類は関係がないようです
話が脱線しましたが、マシン油の散布です。樹勢がある程度の樹にはマシン油を、弱い樹は元気づけるために、リーフアップNとリーフアップバリアの葉面散布をしました。その際、園地端の樹に新顔の変なものがくっついているのを見つけました。
ホヤのような外観ですが、カイガラムシの一種で「ルビーロウカイガラムシ」です。一時期は九州など暖かい地方で増殖して問題となったようですが、天敵の寄生ハチのおかげで問題は収まりました。しかし、近年再び被害が増加しているようです天敵に寄生されたルビーロウムシは、小豆色ではなく黒色に変化するため見分けやすく、写真はまだ寄生されていない個体になりますね
できるだけマシン油はかけたくないものですから、見つけた場合は手で除去し、卵が孵化して動きだす6月中下旬によく観察しようと思います
あの虫と葉スス
今日は節分ですね節分と言えば「立春」の前日を指しますので、明日が立春となりますまだ春が来たとは感じられませんが、これからだんだんと暖かくなり、農作業も本格化していきますね前作の残渣処理は、気温の暖かい時期にバクヤーゼKをまくのが一番ですが、まだ作業できていない方は、雪がなくなってからでも撒いて、いい菌を圃場に補給してくださいね
さて、寒い時期にできること・・・剪定です。手がけているみかん園地でも、今年の作のための剪定作業を進めています昨年は強剪定してみかんの体力を削ってしまったので、今年はほんとうに弱めの剪定にしています。
剪定しながら樹を見ていると、ちらほら見かけるこの白い虫・・・そうカイガラムシですできるだけ農薬は使わない方針なので、見かけたら物理除去しています。毎日園地に行けるわけではないからか、カイガラムシを発見するための目印として、葉ススがあるかどうかを着眼点にしています。みかん農家さんから見れば、葉ススがある状態はおかしいのでしょうけれど、葉ススのあるところにカイガラムシあり、と園地で探しています今年もここでみかん栽培の報告をしていきますね
今年最後?みかんのお世話
今年も残すところ一週間となりました「終わりよければすべてよし」という言葉がありますが、文字通りに受け取ると最後に帳尻を合わせれば良い、という感じが出てしまいますね
今年最後のみかんブログです12月中旬にみかん圃場に行きました。目的は収穫時にまいたお礼肥(MB有機肥太クン)の影響を観察するのと、虫対策をするためです
園地で確認すると、お礼肥の効果でしょう、疲れ切った樹はありませんでした。しかし小さい樹ながらも実を多く着けさせた1本が、少々疲れていました葉色が黄色がかっています(日光の色ですごい黄色く見えますね)。
せめてこれくらいの葉色にしたいところですが、理想はもっと緑が濃くて厚い葉ですみかんに限らず、おいしい果物を作るには樹勢が強くなくてはいけないと思います。強くなり過ぎた樹勢は、MリンPKやPフォスタなどを使って抑えることが出来ますからねただ、この樹勢コントロールの加減は習得中なので、来年以降の課題ですが
さて、少し疲れている樹はどうしたものかと思いましたが、幸いなことに愛知の日中はまだ暖かいです。根の動きは鈍くとも効果は確実にあるので、再度MB有機肥太クンを散布し、根と根周りを元気づけるためサンレッドも散布しました冬支度はこれで完了とし、年明けの寒の入後にまた確認したいと思います。
気になる虫の発生ですが、圃場の一番外側の樹にこんな虫がついていました
以前も圃場で見かけた「ワタフキカイガラムシ」です。写真のように白い塊になっていると、散布材への防御力がとても高くなっていますということで、テデトール(手で物理的に除去)を行いました。
その他の虫ですが、適度な降雨もあったせいか、この辺りでよく見られるダニがまだ来ていませんでした。が、乾燥と樹勢低下が重なると一気に発生しますので、念のためリーフアップバリアを散布しておきました
【おまけ】(宮川早生)
12月中旬にもかかわらず、蕾が付いています。また、実の肥大も進行中です。この樹は今年の2月に強い剪定を行い、そのダメージで弱っていた(瀕死だった)樹です。時間をかけた樹勢強化と根っこ強化で、9月頃に樹勢が戻ってきましたそうこうしているうちに収穫作業が始まり、他の樹にかまけていて、気付いたらこの状態でした。
瀕死から樹勢が戻った途端に子孫を残そうとする、逞しい自然の姿を見ることができました(もちろんこの後、すべて摘蕾・摘果しました)
みかんの収穫②と、かさぶた
12月に入りましたが、名古屋では日差しが暖かく、冬が来たという雰囲気ではありません夜になればそれなりに寒く、街中はイルミネーションで着飾っていますので、なんとなく年末感はありますがと、思っていた矢先、今日から急に冷え込むようで、今年は気温が急に変わるので、体調管理に気を遣わされます
さて、ここでちらほら報告させていただいてますミカン栽培11月下旬をもって、早生温州ミカンをすべて収穫し終えました
前回のみかん収穫のブログはコチラ
前回はほどほどの収量と報告しましたが、最終結果は1本あたり80kgの収量でしたお礼肥散布も済ませ、収穫物もほとんど売れたところです。やっと一段落と息をつくのも束の間、来年につなぐための「今年の栽培の反省」をこれからやっていくところです
ところで、「収量と味は反比例する」のが一般的な意見ですが、Mリン農法では「窒素が効いた状態でリン酸も効かせると、高品質が多収穫できます」と主張しています
私が担当したみかん栽培で大まかに説明しますと、長効きのボカシ肥(バクヤーゼKなど)で、いつでも窒素を吸収できる状態にしておき、その窒素消化を促進するため、収穫直前までPフォスタ、リーフA液材、リーフアップバリアなどの葉面散布材で調整していきました。ボカシ肥を多くまいたので、なかなか酸が抜けなかったのは来年の改善点の一つです
収穫から2週間ほど経過し、ワックスをかけていないから思ったより水分の蒸発が多いなぁ、と様子を見ていたら、こんなみかんを発見しました
「みかんのかさぶた」という表現で合ってますかね?傷を中心に茶色く硬いのコルクのようなものが覆っています
拡大写真です。みかんの皮表面のつぶつぶ(油胞)が凹んでいます。また、Uの字型に皮が浮いています。外傷でしょうか。
皮をむいた写真。茶色いシミは内側まで浸透し、果肉表面の皮がはがれていることから、果肉まで達していたことが分かります。
原因は不明ですが、カメムシのような吸汁害虫にやられたか、収穫作業で傷が付いたか…なんにしても、かさぶたが出来たおかげで果実全体がダメになることはありませんでした。このようなかさぶたが出来るものが多く、昨年と比べてみかんの腐りが格段に減りました「みかんの樹は鈍い」と言われますが、コツコツとやっている葉面散布の効果を、味だけでなくここでも実感できました手をかけた分だけ、結果は出るものですね
これから本格的に寒くなってくると、みかんの樹もお休みになります。その間に来春のための準備、Mリンカリンでリン酸ボカシの自家配合を進めていこうと思います