おいしさは、さまざまな観点から評価されます。
甘い うまい 酸っぱいなどの味 そしてシャキッとか、パリッという食感 食品独特の香り
さらには、つやつやしているとか、みずみずしいなどの新鮮さが主なものとして挙げられます。
消費者のみなさんが、スーパーなどでおいしそうな野菜や果物を
選ぶ際の判断基準のひとつが「鮮度」であるというデータがあります。
色つやがよい、シャキッとしているなどが買い物かごに入れる判断材料になるようです。
鮮度とおいしさは相関関係があるのでしょうか。
私どもは、おいしくできた野菜や果物は、鮮度落ちが遅いと判断しています。
なぜなら、品質の高い野菜や果物は、しっかりとした細胞で形成されており、
その細胞の中には濃厚な甘味やうま味などがたっぷり含まれています。
この濃厚な味は、いわゆる栄養分が高いことを示していますが、
栄養分を含んだ水分は、分子構造が大きいため、経時とともに発生するドリップや蒸散を遅くします。つまり、しおれや痛みが遅く、鮮度保持が良いということです。
ですから、新鮮そうなものを選ぶということは、おいしいものを選ぶということになるわけです。
子供が苦いものを嫌うというのは、本能であると云われています。
苦いもの=毒という式が生まれながらにあるようです。 逆に甘いものが大好きというのも子供の特性です。
甘いもの=体によいもの、という式があるのも現実のようです。 本来その農産物の特徴である苦味(たとえば、ゴーヤ・ピーマン・コーヒーなど)は、 年齢とともに受け入れやすくなります。
しかし、苦味を持っていない農産物に苦味を感じるというのは、危険信号です。 未消化の窒素が農産物に残留すると苦味を感じさせます。 これは、苦いだけではなく、体によくない発がん性物質に変化する可能性を持っています。
前項で色つやのよい新鮮そうなものは、おいしいものと申し上げましたが、 健全に育つ農産物は、実も葉もつやつやしています。 これは、植物表皮にクチクラ層という保護膜を形成しているからです。 われわれ人間も、健康的な方は顔色もよいということと同様です。 色つやのよい野菜は農薬のお世話にならずに 病気知らずで育ってきたという見方もできます。
ですから、おいしいものは、安全性が高いということになるわけです。
おいしい野菜や果物は、総合的なバランスでおいしさを感じることができます。
甘いものは甘ければよいというのではなく、
酸味や食感、そして見た目なども併せ持った状態で高い甘味を引き出せれば、
食べられた方は感動するでしょう。
おいしさの総合的なバランスを整えるには、作物の養分バランスと生育環境の整備が課題となります。
自然環境の下で生育する植物においても、体内で非常に複雑な化学反応をさせながら
おいしさの素である「有機化合物」を生産しています。
特に甘味の素となる糖分(炭水化物)は、
「炭酸ガス」と「水」と「お日様の光」を原料として光合成という反応により作られます。
ですから、われわれミズホは、作物の栽培管理において
この力を最大限に発揮できる栽培体系を提案しています。それが、Mリン農法です。